いくら稼げばいいですか?

「社長、業績向上のために社員研修をしたいと思います。」
「経費は30万円です。よろしいでしょうか?」

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決算書のつくり方
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なぜ社長は決算書に興味がないのか?
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試算表を眺めていたあなたのもとに、社員からこんな話がきました。

ちょうど税理士が来ていたので、税理士に聞いてみました。
すると税理士はこう答えました。

「御社の粗利率は30%ですから・・・
 100万円の売上アップが見込めるならいいと思います」

あなたはどう答えますか?

なぜ税理士は100万円といったのでしょうか?

会計から答えを出そうとする人は、こう計算します。

30万円の経費を賄うためには、30万円の粗利が必要。
その粗利を稼ぎ出すためには、粗利率で割り返すことで必要な売上高が導き出せる。
そして売上で100万円が必要だ、という結論になるのです。

式で表せば、
30万円 ÷ 0.3 = 100万円 です。
※0.3は粗利率(売上総利益 ÷ 売上高)です。

「いいぞ、その代わり100万円以上売上を上げろよ!」

これでいいでしょうか?

私なら「OK」と答えます

30万円ぐらい、すぐ回収できます。

もしこの会社が、

A商品を1個売れば、売上30万円で20万円の利益がでる。
B商品を1個売れば、売上50万円で10万円の利益がでる。
C商品を1個売れば、売上12万円で5万円の利益がでる。

こんな会社であれば、

A商品1個 + B商品1個 (売上は80万円、利益30万円)でもいいですし、
A商品を2個 (売上は60万円、利益は40万円)でもいいですし、
A商品を1個 + C商品を2個 (売上は54万円、利益は30万円)でもいいです。

結果としてかけた30万円以上の利益がでれば、売上金額はどうでもいいのです。
研修の効果が利益に結びつけばいいわけです。

売上を○○万円上げろ!ではないんです。
決算書や試算表から計算すると、間違えます。

もちろん、わかっている社長はこう答えると思います。

「経費分以上、稼いでや〜」

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