なぜ会計人やコンサルタントは、まず「経費削減」というのか?

「経費削減をしましょう!」

決算書を見てものを言う会計人やコンサルタントは、まずここから入ります。

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決算書のつくり方
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なぜ社長は決算書に興味がないのか?
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「人件費が高いですね。非正規に切り替えましょう。」
「家賃が高いですね。安いところに引っ越しましょう。」
「コピーの裏紙使いましょう」
「休憩時間は電気を消しましょう」
「交際費が多いですね。社長、少し控えてくださいね。」

こんな感じじゃないですか?

「顧問料が高いですね。安いところに・・・
これはまず言わないでしょうね(笑)

「原価を下げましょう!」

次に出てくるのはこんな話です。

「仕入れ先に見積もりを持ってこさせて、一番安いところから仕入れましょう。」
「海外の業者から仕入れれば、◯◯円になりますね。」
「原価計算はきちんとできていますか?」

そして最後に

「売上を上げましょう!」
となるのではないでしょうか?

「広告宣伝をして、集客しましょう。」
「もっと付加価値をつけて、単価を上げてはどうですか?」

だいたいこんな感じで進むと思います。

経費を下げる → 原価を下げる → 売上を上げる(客数を増やす → 単価を上げる)

なぜこの順番になるのか?

この順番って、簡単な順番なんです。
やりやすい順番なんです。

・給料下げる(逆らったら、クビだぞ!)
・原価を下げる(逆らったら、ほかの業者に切り替えるぞ!)
・集客する(そう簡単に客数は増えないけど、広告打ってみるか・・)
・単価を上げる(値上げなんて言ったら・・・)

人件費を減らせば、利益は出るかもしれません。

でも、ほんとうに利益を出そうと思ったら、この順番ではダメです。
この通りにやって出た利益は、一時的・瞬間的なものです。

業績はますます悪化していきます。

例えば、飲食店だとしたら、

・給料下げる(優秀な人から辞めていく、人手が足りなくなる)
 → 店員がいない、サービスが悪い、日本語が通じない・・・
・原価を下げる(品質が下がる)
 → まずくなった、量が減った、一品減った・・・
・集客する
 → 席が空いてるのになんで入れないの?マズい料理なんか食いたくないよ
・単価を上げる
 → これが1,000円? 付加価値?

こんなことしていたら、業績なんて良くなるわけありません。

もちろん、赤字の会社の場合は、経費削減が先になる可能性は大きいです。
無駄な経費は削るべきです。
でも、経費削減ありきではありませんよね。

なぜ会計人やコンサルタントは経費削減と言うのか?

それは決算書を見てものを言うから、
決算書を分析してものを言うからなんです。

決算書は過去の数字、結果の羅列でしかありません。

決算書を見ても、経営には役立ちません。
決算書を分析しても、経営には役立ちません。

シミュレーションする、
この先どうするかを考えるのは、
決算書ではできないのです。

シミュレーションしながら、この先どうするかを考える。
これができるのが、戦略MQ会計なのです。

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