扶養親族のおはなし

個人の税金(所得税)では、個人の事情をある程度考慮してくれます。

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配偶者がいたり、親族の面倒を見ていたりすると控除が受けられるのです。
人的控除とも呼ばれる、所得控除の一つです。

所得税では、「親族」というと

「6親等以内の血族及び3親等以内の姻族」をさします。
どのくらいの範囲か想像できますか?

鹿児島県霧島市のHPに親等図がありましたので、リンクさせて頂きました。

http://www.city-kirishima.jp/modules/page015/index.php?id=57

もとの資料も古いそうなので、少し古めかしいのですが、
読み仮名や叔父と伯父の違いなど、結構楽しめます。

親族とはご覧のとおり、これだけ範囲が広いものなのです。
「顔も知らない」「会ったこともない」
なんて方がいても不思議ではありません。

扶養親族は控除の基本

まず、誤解している方も多いのですが、配偶者は扶養親族ではありません。
配偶者は「配偶者」として、独立した区分になっていますので、気をつけてください。

かつては「扶養親族」であれば、最低でも38万円の控除ができました。
ですが、現在は扶養親族であっても16歳未満の方については何の控除もありません。
とは言え「扶養親族」は控除の基本になっていることは変わりないです。

○ 控除対象扶養親族 : 扶養親族のうち、・・・
○ 特定扶養親族 : 控除対象扶養親族のうち、・・・
○ 老人扶養親族 : 控除対象扶養親族のうち、・・・
○ 同居老親等 : 老人扶養親族のうち、・・・ 

というようにです。

生計を一にする

扶養親族なら誰でもいいのか?
というと、そういうわけではありません。

血縁関係の他にもう一つ、金銭関係が判断材料になります。
「生計を一にする」というものです。

国税庁のHPでは、このように解説されています。

「生計を一にする」とは、必ずしも同居を要件とするものではありません。例えば、勤務、修学、療養費等の都合上別居している場合であっても、余暇には起居を共にすることを常例としている場合や、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合には、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。
なお、親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。

(所基通2-47) (赤字強調は谷口がしました)

なんだか、わかったような、わからないような、です。

簡単に言うと、「財布(家計)がいっしょ」だよね?
と同業さんの間では言ってます。

「知らん奴には金も出さんし、飯も食わさんだろう」

ごく普通の理解でいいと思います。

28年税制改革大綱がそろそろ

「父、母、子供2人、年収600万円」なんていう、税制で言うところの標準世帯という概念も時代にそぐわなくなっています。

所得税では配偶者控除などが改正になるだろうと言われていましたが、選挙対策でまたうやむやになりそうです。
その他の税制も、選挙対策でぐちゃぐちゃにされそうです。
消費税の複数税率など、勘弁してもらいたいです。

政治家の皆さんには当落が死活問題でしょうが、目先の選挙対策にとらわれて、うにゃうにゃにしないようお願いしたいものです。