利益は「いくら」の方がわかりやすい

中学入試の問題です

ある品物の原価に30%の利益を見込んで定価をつけると338円になります。
この品物の原価を求めなさい。

上の文章は中学入試の問題です。
文章で聞かれている問題を、図に表して関係性を整理し、問題を解きます。
「線分図」というものを使うと、関係を理解しやすいです。

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線分図はこんな図です。

この問題が解けるかどうかは、
・この線分図がかけるか?
・用語(売価、原価、利益)をこの線分図に当てはめられるか?
にかかっています。

意外に誤解している(間違える)方も

こういった問題を使って、MQ会計のセミナーなどを進めます。

そうすると、意外に用語の意味や計算、金額を誤解していたりする方がいます。
ただ、ここで間違えてしまうと、儲けは出ません。

たとえばこの問題を線分図に表すと、
線分図の左側(長い線分)が原価、右側(短い線分)が利益。
原価と利益を足した(左端から右端までの長さ)が売価になります。

この売価が338円なので、ここから計算していきます。

この問題を問いたあと

この問題を問いたあと、
「売価が338円だとわかりにくいですよね」
「売価を130円にして考えてみましょう」

こう話を進めます。

「売価が130円ということは、原価が100円、利益が30円になります」
「では質問です。この商品の利益率は何%ですか?」

ここで「30%」と答える方が結構います。
が、利益率は30%ではありません。

「この100円で仕入れた商品を、利益率30%になるように値札を付けて店頭に並べて」

勘違いしている方が、社長からこう言われて130円の値札を付けてしまったら・・・
あとで大目玉です。

率よりも額のほうが意識しやすい

〇〇率。
これって分子と分母が必要で、答えは割合(率)で出てきます。
なんとなく分かったような気になりますが、「で、いくら?」となります。

「これを1個売ると、売価の○○%が利益です」
というよりは、

「これを1個売ると、○○円が利益です」
この方が断然わかりやすいです。

経営指標を〇〇率で見るのは別に構いませんが、実際に利益を積み上げているのは現場です。
現場レベルで考えるなら、金額で話するのが大事だと思います。
その方が現場の方は、動きやすいです。

(過去記事)
・算数の問題は線分図じゃなくて、

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【答え合わせ】
売価338円の場合、原価は260円になります。
利益率は23.07・・%です。

また、100円で仕入れた商品・・の場合、142.8・・
値札に143円と書かないと、30%の利益は確保できません。