貸借対照表の現金預金は多いけれど・・・

貸借対照表でいちばん最初に見るのは、現金預金が多いと思います。

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現金預金が多いと安心?

貸借対照表のいちばん上にある現金預金、多いということはお金がたくさんあることを表しています。
(あくまでも決算時点の残高ですから、次の日には支払でうんと減ってるかもしれませんが)

貸借対照表の一部分だけを載せましたが、この会社の総資産は5億1700万円ほど。
総資産の7割が現金預金。ステキな会社ですね。

流動比率という経営分析の指標があるそうです。

これに当てはめてみると流動比率は149%。
この指標でみると、いい会社のようです。

いや、よく見ると現金預金だけでも流動負債をまかなえます。
これはすごいです。

金庫の中を見てみたいところですが、現金預金の内訳を知りたいので、試算表を見せてもらいましょう。

現金預金の内訳は、こうでした

さて、この内訳を見てどう思われますか?

手許現金が8400万円近くとは、すごいですね。
定期預金が1億8千万円もあります!
現金預金の半分が定期預金です。

金利が低いとはいえ、利息収入もありそうですね。
もう少し、お金を積極的に使って商売するのも、いいかもしれません。

定期預金は

流動資産と固定資産の区分、会計の決まりでは、決算日後1年の間に現金化するものを流動資産、1年を超えるものを固定資産といいます。
俗にワンイヤールール(1年基準)といわれ、決算日から1年で区分しようというものです。

この会社のように定期預金をしている会社は多いです。
満期日は、さまざまだと思いますが、1年以内に満期が来るものは多いでしょう。
ということは、ワンイヤールールに則って、流動資産でいいわけです。

でも、私が見ている範囲では、定期預金を満期になったからやめる、というところは少ないです。
毎回、更新しています。

会社としても普通預金に溶かしてしまうと、すぐ無くなっちゃうので、よけておきたい。
銀行としても、貸出の実質金利が上がるし、継続していてもらいたい。

「定期預金を解約して借入を返す」とか、
「貸してくれないなら定期預金を解約します」なんて言わないでください・・

ということで、実質的には長期的に運用していることになります。
だったら会計のルールに従って、固定資産の「長期性預金」とすべきなんですが、どうでしょうか?

でも、多くは「預金だから」という理由で、「流動資産の現金預金」に載っています。

この状況を踏まえて、現金預金が多いから、流動比率がいいから、と喜んでいては・・・

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