決算書会計から戦略的会計へ ★ 谷口税理士事務所

決算書は結果、戦略MQ会計・マトリックス会計で戦略的な経営を

消費税率が違うのに同じ値段?(疑似一物一価)

time 2018/08/07

8月5日の日経新聞から

8%のものも、10%のものも、同じ値段にしたら、という財務省のご提案です。
これってとても違和感があります。

現場のことは当初から考えられていません

2019年10月に予定される消費税率引き上げ。10%になります。
しかし、食料品や新聞など生活必需品まで10%にすると低所得者の負担が大きい。
そこでこれらは8%に据え置かれることになっています。つまり、8%と10%が共存します。

肉や野菜など食材の大部分、小売店で買ったパンや弁当なども軽減税率が適用されます。
ただ外食は軽減対象ではなく税率は10%。
スーパーやコンビニで買っても、店内で食べる場合は外食扱いになります。

ではどこで食べるかは誰が決めるか?

購入段階(レジ)でお客さんが決めます。
それに従いレジでは打ち分けをしなければなりません。

私なら仮に店内で食べるとしても「家で食べます」といって8%の適用を受けます。
だってそのほうが安いんですから。
私でなくてもそうするでしょう。

混乱はしませんよ

レジ段階で「家で食べます」といって8%で精算した後、店内で食べる人もいるでしょう。
当初から店内で食べるつもりで10%を払う方もいるでしょう。
国税庁は通達でお店に対し、イートインか持ち帰りか「適宜の方法」で消費者の意思を確認するよう求めています。

「お客さんに聞く」

これにまさる意思確認はないです。
お客さんの申告どおり税率を適用すれば、仮に8%で買った人がその後気が変わって店内で食べたとしても、スーパーやコンビニが責められる筋合いはありません。

それなのに財務省は混乱が懸念されるからと言って、本体価格を調整して税込み価格を一つに揃える「疑似一物一価」ともいえる価格設定を小売店に推奨しているといいます。

混乱はしませんよ。

ただ財務省はレジで厳密にチェックさせないと、全部8%になっちゃって、税金が取れないことが困るんでしょう。

こっちのほうが混乱します

「疑似一物一価」

財務省のご提案は、イートインと持ち帰りで選択が分かれやすい商品は本体価格を調整し、どこで食べても顧客が払う税込み価格が同じになるように設定してはどうかということです。
図ではこんなイメージです。

同じものなのに、本体価格が違う方が理解できません。
お客さんが混乱すると懸念するスーパーの方が正しいと思います。

消費税が5%から8%になったとき、購入側が仕入先にこんな圧力をかけることがありました。
10万円のものに5%の消費税を付けて105,000円で請求していたものを、「8%税込みで105,000円にしろ」つまり本体価格を下げさせたのです。
これはよろしくないと、公正取引委員会や中小企業庁が監視をしています。

今度はこの逆で、国が消費税を取りたいから8%の恩恵をうけるべき人に、よくわからない本体価格の上乗せ分を負担させろというように見えます。
低所得者向けの軽減税率なのに、支払う金額が一緒なら何のための政策なのか?
しかもこれをすれば、消費者の怒りの矛先は国ではなく、スーパーなどに向きます。

「なんで同じものの値段(本体価格)が違うんですか?」

税率の差が開いたら、もっとこの差は顕著になります。
ますます理解できなくなります。

まぁ、税率が上がる頃には複数税率が浸透しているかもしれませんね。
それならなおのこと、奇妙な案を提案せずに、普通にやればいいと思います。

それでなくても記帳や経理処理などで、現場に負担を強いるのですから。
これ以上現場を混乱させないでください。

ーーー

【編集後記】

昨日コーヒーショップにて
私:「アイスカフェオレをください」
店員さん:「ミルクとガムシロップは要りますか?」
私:「・・・ミルクは要りません・・・」

カフェオレにコーヒークリームはちょっと・・。
ガムシロップも要らなかったんですが、こう答えてしまいました。
いや、もしかしてそれが今の流行なのかも?・・・

決算書なんて経営の役に立たない