税制改正大綱はたたき台(2022年(令和4年)分を読んで)

100ページちょっとの、文字だけの読み物・・・

2022年(令和4年)税制改正大綱が出ました

税制改正大綱、これは来年の税制改正の法律づくりのための、たたき台です。
これが国会で議論されて、最終的な法律(税法)として決まったものが、実際に運用されていくことになります。

大綱の内容は、ほぼそのまま決まるのが通例ですが、実際の改正は「国会で法案が通ってから」です。

今回の大綱では、賃上げ税制の拡充だったり、住宅ローン減税の改編だったりが話題になっています。
また、業界的には話題になっていた暦年贈与の件も、具体的な内容はなく、検討すると書いてあるだけ、みたいな状態です。
(いきなり現れるかもしれませんが)

細かい内容は、報道や多くの専門家の方々が解説していますので、そちらを参考にしていただければと思います。

今回は、大綱を読んで私なりに感じた「方向性」を書いてみたいと思います。

電子帳簿保存法の2年猶予

電子帳簿保存法の改正により、令和4年1月1日から「電子データは、全て電子で保存」となっています。
これが「現実的にムリ」ということで、2年の猶予期間を設けることが「大綱に」明記されました。
(99%そうなると思いますが、まだ決まってはいません)

「猶予期間を設ける」ということですが、無条件ではありません。

・やむを得ない事情があり、
かつ、
・調査できちっと帳簿書類を出せる状態になっていれば、
「紙での保存も容認する」ということです。

もちろん、なくなる(廃止になる)ことはありません。

消費税のインボイス制度

電子帳簿保存法とセットとなり、今後多くの事業者に影響を及ぼします。

今まで、政治的な原因によって引き起こされていた「益税」と「帳簿方式による仕入税額控除」という消費税の問題。
これらが適切な状態になります。

インボイス制度も、基本的には電子化が主となりますので、ここでもデジタル化が進むことになるでしょう。
すでに決まっている内容に、若干補足的なことがらがありました。

令和5年10月1日は動かないでしょう。

デジタル化

今回、電子帳簿保存法の改正を一部緩和(猶予)させました。
税務当局は、デジタル化(電子帳簿保存)については、一時的には譲っても、最終的には絶対完成させます。

税務当局の思惑はただ1つ。
「効率よく税金を徴収する」の一語に尽きます。

納税者が便利=税務署も便利、になるわけです。

今までは税務調査に出向き、紙の帳簿をめくって、調査官の力量頼みの部分もありました。
これが、全国に出かけていかずに、データを収集・分析して、狙いを定めて、効率よく徴収することが、居ながらにしてできるようになっていきます。

「めんどくさい」
「デジタル? わからん」
「そのうち政治的な力が働くだろう」・・・

こんなことは言ってられません。

ただし、税制に振り回されてはいけない

いつも思うことですが、税制は企業活動や生活に大きく関わることで、その位置づけは高いものだと思います。
ただ、税制が全てではありません。

あまりに税制を気にしすぎると、振り回されます。

・日本のデジタル化が遅れている(効率化してムダな作業から開放されましょう)
・国際的に通用しない(国際的な競争力をつけて、豊かになりましょう)
・国民(納税者)の利便性が増しますよ
などデジタル化についてはさまざまな効果がアナウンスされています。

これは税制が云々というよりは、デジタル化できないと、日本(人)がガラパゴス化するということです。

もちろん、外国がすべてにおいて、いいわけではありません。

ただ、世の中は「差」でできていますので、価値の側面で見ると「差を取られる」側にいることは、豊かになれない(貧しくなる)こととイコールになります。

この辺を意識していないと、日本の多くの中小企業は市場から退場せざるを得なくなります。
「デジタルは、ようわからん」では、プレイヤーになれないのです。

良くも悪くも、決断のきっかけができたと思います。

そんな感想を持った、大綱でした。

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