分散も必要

「卵は一つのカゴに盛るな」とは、投資の有名な格言です。

■ ■ 発売中 ■ ■
決算書のつくり方
kindle版 

なぜ社長は決算書に興味がないのか?
Kindle版

リスク分散の意味で

「卵は一つのカゴに盛るな」とは、投資の際に、リスクを分散することが大事だという教えです。
卵を一つのカゴに盛ると、そのカゴを落としたら全部の卵が割れてしまうかもしれません。

しかし、複数のカゴに分けて卵を盛っておけば、そのうちの一つのカゴを落としても、他のカゴは影響を受けずに済むというたとえです。

会社経営でも分散しておいた方がよいものがあります。
私はお客様から聞かれると、おもに次のことについては分散しておくようにお勧めしています。

定期預金、定期積金

銀行取引の関係から、定期預金や定期積立の営業があります。
この低金利のご時世、利息はとても低いです。

1億円の定期預金1本でも、1000万円の定期預金10本でも、利息はいくらも違いません。
資金的に余裕があって定期預金を組むとき、目先の僅かな金利額よりも、機動性を重視するべきです。
資金の余裕がなくなってきた時、定期預金を解約する場合でも、適度に小口化しておいたほうが解約しやすいです。

「いや、勘弁してください〜」

1億の定期1本だと、○か×かとなってしまい、銀行員も渋ります。
ですが「1000万円の定期4本解約」なら、銀行員も聞きやすいです。
必要な分だけ解約することができます。

銀行員が暗に「この定期預金は貸出の担保ですから」的なニュアンスを出す場合があります。
現実問題として、このときどう対応するかは状況にもよります。

が、この行為(預金を貸し出しの担保に取る)自体は金融庁の銀行に対する指導事項になっています。
「それってダメですよね〜」と言えるようにしておきましょう。

保険契約

例えば今期利益が出たので、節税のために全損の保険契約をしたりすることがあります。
よくあるパターンとしては、A生命の保険で保険金が5億円のものを1本契約。
これで保険料分1000万円の経費ができて、この分節税になる。とか。

会社で契約する保険契約も、分散しておいたほうがよいでしょう。
もし保険料を1000万円を1件で払うのなら、4契約に分けるなど、複数契約にしましょう。
返戻率がだいたい揃う契約にできれば、理想的です。

契約を分ける理由は、
・解約時期をずらすことができること
・資金的な都合が起きた時に、払い込みのコントロールができること
からです。

保険契約は長期間に渡ります。
途中で資金的な都合が生じることもあります。

1本だと、解約すると保障がゼロとなる期間ができてしまいます。
入り直すときも先に新しい保険に入ってから解約しないと、保障がゼロとなる期間ができてしまいます。
ですので、契約は分けておいた方がよいのです。

なお、返戻率とは、払った保険料と解約したときに戻ってくるお金の割合をいいます。
保険金にあてるための資金や保険会社の事務経費が引かれますし、契約時の年齢が高くなると返戻率は落ちます。
税金等を考慮しているとはいいますが、ほぼ目減りします。

保険の加入については、本来の目的である社長に事故があった時の備えが最優先です。
それ以外なら保険に入らず税金を払った方が、手元にお金は残ります。
保険料の支払いは毎年ありますし。

一時的な節税だけでなく、よく考えて契約しましょう。