戦略的会計へ ★ 谷口税理士事務所

税理士 谷口敏文のblogー決算書は経営の役に立ちません

経営者は率で考えてはいけない

time 2018/10/19

「原価率を下げてください」
「労働分配率が高いですね」

なぜ率で話すのか?

会計人、銀行、コンサルタントのたぐいの方々。
率でお話するのが好きです。

「おたくの業界の原価率は30%が普通じゃないですか?」
「経常利益率は最低でも10%以上にしないと」

なぜ率で話をするのでしょう。

それは、会計人、銀行、コンサルタントの方々は複数の会社を見ているからです。
金額で話をすると、大変なんです。
でも、例えば原価率で業界の平均的な指標を持っていれば、そこで話ができます。
何社あっても大丈夫です。

ところが金額になると大変です。
会社ごとに数字はまちまち、覚えきれません。
それが多いか少ないかも判断できません。

中小企業の経営者は金額を見ます

「あなた! 今月のこの売上じゃ、給料払えないじゃない!」
「いや、原価率は25%だよ。30%は切れてるんだけど・・・」
「そんなこと言ったって、払えないものは払えないのよ!どうすんの!」
「・・・」

会計人もコンサルの人も、経営者なら「金額」の書いてある通帳を見ます。
1円でも足らなければ、残高不足で引き落としができません。
通帳に率はありません。率なんかどうでもいいのです。
金額が足りるか、足らないかなので。

「たった1%ですよ」

たかが1%。でも100円なら1円ですが、100億円なら1億円です。
1円÷100円も、1億円÷100億円も、答えは1%ですが金額の差はすごいです。

率は分子と分母があって、初めて計算できます。
利益率も利益と売上の結果の金額があって、初めてはじき出されるのです。

そして会計人、銀行、コンサルタントは、「結果の分析」です。
終わってからのお話です。

「おたくの業界の原価率は30%が普通じゃないですか?」
というのも、同業者の過去のデータを集めて出た数字です。
その頃と今では状況が変わっているかも知れませんよね。

経営者は明日のお金、月末のお金を見ています。金額なのです。
なので経営者は率ではなく、額で考えているのです。
そしてそれが正しいのです。

ここを理解していないと「税理士の言ってることはわからん」となるのです。

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【編集後記】

新しいことを入れることは大事なことです。
一方で基礎的なことは、何度も何度も繰り返してみるべきです。
同じ内容でも、その時の自分がどう感じるか、新たな気づきを得られるか。
素振りと同じで、基礎はやりすぎということはありません。

書いてる人

谷口敏文
(税理士 ㈱TKS 代表取締役)

決算書作りに疑問を感じていたとき、戦略MQ会計に出会う。
経営の役に立たない決算書から、経営に役立つMQ会計を広めるべく日々活動中。

■ 登録商標について

・「MQ会計」「MQ戦略ゲーム」「企業方程式」は、これを考案開発された西順一郎先生の会社、 株式会社 西研究所 の登録商標です。

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