元帳の摘要で終わらせるか?経営情報にするか?(Excel経理のすすめ)

元帳の摘要欄、見たことありますか?

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なぜ社長は決算書に興味がないのか?
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経理処理はしなければならないので

日々の経理処理はめんどう、だと思います。
できればやりたくない。
なるべく簡単に終わらせたい。

私もそう思います。

経理処理のために必要な情報は、日付、金額、借方科目、貸方科目の4つ。

ただ、これだけでは内容がわからないので、摘要(明細)が必要になります。
たとえば、この水道光熱費の支払は、「8月分の電気代を東京電力に払った」というように、摘要で補います。

さらに税金が絡んできて、消費税の区分が必要になったり、
部門別経理をしているので、部門の情報が必要になったり、

と、いろんなものが付いてきたりします。

元帳の摘要は税務署用

冒頭の例のように、元帳の摘要欄にはたとえば「8月分の電気代を東京電力に払った」というように記載(入力)します。

会計ソフトを使ったことのある方はおわかりかと思いますが、摘要欄は1マスです。
そこに、摘要の情報を入れ込みます。

文字数制限があるので、長い名前の場合は半角にしたり、略号にしたり、無駄に労力を使います。

入力できれば、お役目達成。
所長さん、税務署さんには褒められるかもしれません。

ところで、その元帳は誰が使うんでしょう?

元帳をよく見る人は、会計事務所の人か税務署の人ぐらいでしょうか。
その人達は、チェックのために見るので、1マスにまとまっていると便利だろうと思います。

私の経験上、社長に「元帳を見たい」と言われたことはありません。
せっかく手間ヒマかけて作った元帳なのに(?)、これが経営に使われることはまずありません。

日付、金額、借方科目、貸方科目。
会計処理では、重要な情報です。

でも、儲けを生み出すための情報はむしろ、科目や金額以外の部分にあるのでは?
むしろこの元帳の摘要にあるような情報が、商売には必要なものではないんでしょうか?

Excelで作れば経営情報化できる

私はお客様にはExcelでの入力を勧めています。
Excelは会計ソフトに比べて、使うのが簡単です。

「経理のためにExcelを使って入力」というよりは、商売のために入力しているExcelの情報。
この一部を、経理用に流用する方法です。
その入力のしかたを少し工夫すると、商売用の情報として活用しながら、経理部分も片付けやすくなります。

たとえばこんなふうに、元帳でいう摘要欄に入る項目は、項目ごとに別のセル(列)にします。
Excelでも、くっついているものを分けるのは、ちょっとめんどうです。
でも、最初から分けておいて、後でくっつけるなら簡単にできます。

自分の商売に応じて、知りたい情報、集めている情報を分けて並べるといいです。
型番、色、柄、排気量・・・
そうすると、Excelに入力したものはデータとなり、活用することができます。

たとえばこの例の下2つは、販売の情報です。
「ストライプ柄が売れてるのか」
「125ccのバイクは、赤が人気なのか」

お客様は自分の商売のことですから、すぐにピンときます。
それをデータで確かめることで、活きた情報になります。

フィルターや検索、ピボットテーブルを上手に使うと、さらに活きた情報になります。

数量の情報も使うことで、MQ会計にも使えます。
そうすると、こんどは先の(経営)計画まで発展させていくことができます。

こうやってExcelに貯めていったデータは、その一部をインポート等で会計ソフトに取り込めば、決算書はすぐにできます。

決算書はついでに作ればいいんです。

会計ソフトへの直接入力はヤメて、Excelを活用してはいかがでしょう?

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