パートの奥様、だんなさんに確認しておきましょう(配偶者手当のお話し)


(画:たにぐちさん)

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この時期、パートでお勤めの奥様はソワソワ。
「12月までに少し休みを入れないと、103万円超えちゃうわ・・」

税金は気になりますが・・

30年の税制改正で、配偶者控除関係の所得税が改正されました。
そのため、奥様の計算も複雑になり、どうするのがいちばん家計にいいのか、悩みどころです。

一番いいのは、働くなら98万円以下にするか、しっかり働くかのどちらかです。
中途半端な金額だと、税金がかかったり、社会保険がかかったりします。

先日も知り合いの奥様からご相談がありました。

そこで、これらをまとめて「一覧表」にしてみました。
haigusya2018

3つの図を、順に解説します。

奥様ご自身はどうなるの?(図1)

説明上、
・専業主婦は、いわゆる働いていない奥様
・兼業主婦は、いわゆるパート的に働いている奥様
・本業主婦は、きっちり仕事をしている奥様
としました。

本人だけを考えた場合、「配偶者だから」といって特別な計算はありません。
収入などに応じて、税金や社会保険料の話になります。
「負担がある=ご自身の手取りが減る」という観点で見れば、赤い字になっているところがデメリット部分です。

原則として、
・給与が98万円を超えれば、住民税がかかり始めるし、
・給与が103万円を超えれば、所得税がかかり始めるし、
・給与が130万円(※)を超えれば、社会保険の負担も出てきます。

※所得税、住民税は「通勤手当を除いた金額」で計算しますが、社会保険は「通勤手当を含んだ金額になります。ここは注意が必要です。

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だんなさんの税金はどうなるの?(図2)

働いていない奥様、あるいはパートの奥様がいる場合、だんなさんの税金はどうなるのでしょう。

だんなさんは、ご自身の収入と奥様の収入の金額によって、配偶者控除か配偶者特別控除を受けることができます。
(だんなさんの給与収入が1,220万円を超えると、奥様の収入に関係なく、配偶者控除も配偶者特別控除も受けられません)

配偶者控除か配偶者特別控除を受けることにより、ご主人の所得税と住民税は減ります。

実は以外な落とし穴?(図3)

多くの会社では、奥さんがいることについて、だんなさんは勤め先から配偶者手当(家族手当)が支給されます。
金額は勤め先によって違いますが、おおよそ月額1〜2万円だそうです。

ただし、奥さんを「養っている」という判断基準があるため、奥様がバリバリ働いている場合(今回の記事でいう「本業主婦」の方)には、手当が支給されません。

では「養っている」の線引はどこでされるのか?

これまた会社によって違うようなのですが、
・奥様の給与収入が103万円以下の場合
・奥様の給与収入が130万円以下の場合
・奥様の給与収入が150万円以下の場合
に分かれるようです。

しかも、当初OKとされていた収入を途中でオーバーしてしまった場合、
・超えた月の翌月分からカット、のところもあれば、
・超えたら1月にさかのぼってカット、
というところもありました。(谷口調べ)

先日の奥様の場合、パート先でこんな話をしていたそうです。

税法が変わって、150万円までは配偶者控除が受けられるんでしょ?
だから、103万円を少し超えても大丈夫よね

でもやっぱり気になって、私のところに確認してきました。

そしてその奥さんがだんなに確認したところ、
「103万円を超えたら、1月にさかのぼって手当はカット」とのことでした。

年末までは仕事をセーブするそうです。
あぶない、あぶない。

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【編集後記】

危うくだんなさんの10数万円の配偶者手当が飛ぶところでした。
ということで、今度焼き肉に連れていってくれるそうです。(^^