ふるさと納税、税金を払うこともあるかも!?(一時所得)


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ふるさと納税は12月が一番多いそうですが

ふるさと納税でもらった返礼品は

ふるさと納税をすると、おおむね寄付額の3割程度の返礼品があるケースが多いです。
1万円寄付すると3,000円相当。お肉やら海産物やらお米やら。

地域も応援できるし、うまいものも食えるし、いい事ずくめのようですが、注意も必要です。
税金がかかる場合もあるからです。

最近、ふるさと納税が過熱気味なことを受けて、税務署でもチェックがされているようです。
照会事例として掲載されていますが、注意喚起でもあります。

【照会要旨】
A市では、市外に在住する者から1万円以上の寄附(いわゆるふるさと納税)を受けた場合、この寄附に対する謝礼として、市の特産品(3,000円程度)を送ることとしています。
 この場合の寄附者が受ける経済的利益について、課税関係は生じますか。

【回答要旨】
 寄附者が特産品を受けた場合の経済的利益は、一時所得に該当します。なお、その年中に他に一時所得に該当するものがないときには、課税関係は生じません。・・・

国税庁HP:「ふるさと納税」を支出した者が地方公共団体から謝礼を受けた場合の課税関係
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/02/37.htm

「谷口さん、これを読むと税金はかからないんじゃないの?」

一時所得とは

確かにこの事例だけだと、税金はかかりません。
でも、一時所得の対象はふるさと納税だけではありませんし、ふるさと納税をたくさんしている方は状況が変わってきます。
また、ふるさと納税の返礼品は、一時所得の対象になるということを知らないケースもあります。

一時所得のくくりに入る代表的なものは、次のようなものです。

・懸賞や福引きの賞金品
・競馬や競輪の払戻金
・生命保険や損害保険の一時金や満期返戻金等

これらをまとめて、計算します。

具体的には、
(総収入金額-収入を得るために支出した金額)-特別控除額(最高50万円)、で計算します。

ごくざっくり言ってしまえば、50万円以上の賞金品等をもらうと一時所得が生じ、税金がかかるということです。

どれが何所得か、特に一時所得や雑所得は、むずかしいです

ふるさと納税は、もらった返礼品の金額(時価)が「所得」となります。
お金でもらうわけでもないし、時価いくらとなってはいません。

総務省が「返礼品は寄付額の3割程度」と言っていますから、国税庁のHPもそういう設例になっているようです。
実際の金額は難しいですが、「寄付額の3割」として計算しておきましょう。

ほかによくある一時所得の代表例として、生命保険等の満期金があります。
これは満期のお知らせに「一時所得の対象になることがありますよー」と書いてあります。

金額は受け取った満期金から、掛けていた保険料を引いた額です。
金額については、必ず保険会社から通知があります。

ーーー

例えば、2018年にふるさと納税を30万円して返礼品をもらい、生命保険の満期金の「所得」が45万円あった場合、生命保険の満期は50万円以下だから税金はかからない、ではありません。

ふるさと納税の「所得」は9万円(30万円×30%)と見込まれますから、45+9=54万円>50万円となります。
一時所得の申告が必要になるのです。

一時所得や雑所得は、その性質上「これとこれ」みたいにはっきり決められません。

「次のようなもの」とか、「○○に該当しないもの」といったくくりになっています。
該当するものがわからなかったり、一つ一つは少額でも、まとめると結構な金額になったりします。

もれのないように、注意しましょう。

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【編集後記】

ニュースで、2020年の税理士試験の日程が東京オリンピック後にずれるようです。
予想はしていましたが、やむを得ませんね。
こちらは第70回なのか〜

国税庁HPより
※ 平成32年度(第70回)税理士試験は、2020年東京オリンピック・パラリンピックが開催される予定であり、開催期間中の受験生の宿泊先の確保等への支障を回避する観点から、試験会場が確保されることを前提として、平成32年8月18日(火)から平成32年8月20日(木)の日程で実施する予定です。

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