上がったのか?下がったのか?
いろいろな思惑で時価は決まる
時価。
(その)時(の)価(格)を意味します。
価格がつくものは相手がいます。
相対の取引であったり、市場(マーケット)があったりします。
価格は需要と供給のバランスで決まります。
売る側、買う側の戦略もあります。
とにかく、いろいろな要素で時価が提示され、双方が納得すれば取引成立です。
お互いが納得すれば

「おお、上がったぞ」
ということで、この価格に納得すれば、売るという選択肢が出てきます。
「いや、上がったと言っても、先週に比べたらずいぶん下がったな」
こんなときは、もう少し様子見になる場合も。
「このレンズは超お気に入りなので、売る気はないよ」
となると、いくら高値での提示が出ても、売らないでしょう。
※このレンズは買取価格が上がっても売りません。
一方であるレンズを下取りに出そうとしていたら、どんどん値段が下がってきてしまいました。
私が最初見たときの買取価格が145,000円、売ったときは138,000円。
そしてさっき見たら104,000円・・
世の中「タイミングが大事、迷いは敵」を感じたのでした。
税務での時価は問題が多い
売った買ったは見知らぬ者同士なら、売る側はできるだけ高く、買う側はできるだけ安く、のせめぎあいの中で価格が決まりますから、税務では問題になることは少ないです。
ところが特殊な関係(例えば親子とか)で売買が生ずる場合は、ここに恣意性が入る場合があります。
親子間でいくらで売り書いすれば「いちばん税金が安くなるか」とかを考え始めたりするわけです。
そういう懸念が少なからずあるので、特殊な関係にある人同士の売買は税務署が目を光らせます。
時価より安く売ったら、その安く売った分は買い手に得をさせた(値引きした分のお金をやった)と勘ぐられ、高く売ったらその反対、買い手側から売り手側に得をさせた(お金をやった)と勘ぐられ、贈与税の話がでてきます。
ただ、その得させた部分(実際の売値ー時価)を計算すると言っても、実際は計算は不可能です。時々刻々と時価は変わるからです。
「税務署さんの言う時価っていくらですか?」
と聞いても、なかなか明快な答えは出てきません。
いろいろな理屈を持ってきて「これが時価だ」といいますが、そもそも時価は決めようがないですから。
そうは言っても時価が決まらないとその先に進めないので、時価を「決める」しかないわけです。
そういう事情もあるので、あまり突拍子もない金額でなければ、ある程度の幅は大丈夫なケースが多いです。
ただ、税務署に難クセを付けられないように、できるだけ「客観的な時価」の資料などを集めて、こちらも金額を決める必要はあります。
「時価で課税」という原則で動いている税務署と不毛な交渉とならないように、きっちり準備することは、無駄に時間や労力を失わない作戦でもあるのです。
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