分類、分析は何のためにしている?

経営でいちばん大切なこと

経営でいちばん大切なことは何か?

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それは「意思決定をして、ただちに動く」ということ。
そして最もいけないことは、何らかの分岐点にきたとき、決定しないこと。

私はそう思っています。

コロナの対応、ニュースなどを見られる方もいると思います。
この状況下で、国と吉村大阪府知事の対応はとても参考になります。

何が違うか?

あえて「国」といいます。
国の対応は私が語るまでもなく、総括責任者がわかりません。
それぞれの立場の人が、責任を曖昧にし、決定をしない。

「何もしない」という意思決定かもしれません。
それならそれで構いません。

「カレーにするかラーメンにするか?いや、今日はやめておこう」

個人の昼飯のレベルではありません。
「何もしない」であっても、その根拠は示すべきです。

「現段階では、その状況にない」
というのは、もっともらしく聞こえますが、根拠は明確に示されていません。
「空気」「雰囲気」だけがあるだけです。

行動できるか、できないか

国の会見がちっとも腑に落ちず、吉村大阪府知事の会見が腑に落ちる、その違いは何か。

それは、聞いた国民なり大阪府民なりが、
「では私たちはどうすればいいのか、どう行動すべきか」
が、わかるか、わからないか。

その違いだと思います。

大阪府では
まず府民の命を守るため、という明確なゴールがあって、
そのためには何が必要かを、根拠を持って示し、
そのために必要な準備を(大阪府は)こうしています、
そして府民の皆さん、こうしますので、協力してください
協力していただいた方には、後でこんな手当をします。

これが実に明快に示されています。

未知のウイルス、わからないことが多いので、完璧なものはつくれません。
だけど、判断できる指標がある程度整ってきたら、それをもとに判断して、動いています。

何のための分析、分類か

今日、国の方では分科会で「新たに」感染状況の4つの段階なるものが示されました。
分類や分析は何のためにやるのか?

意思決定を行い、動くためのものです。
誰も決定しない、決定者が誰かもわからないので、分類のための分類、分析のための分析が進んでしまいます。
統括責任者がよくわからないので、枝葉末節の施策だけが方向性もなく進んでしまいます。

経営でいちばん大切なことは、意思決定してただちに動くことです。
間違えないに越したことはありませんが、間違えたら直せばいいのです。

小さく決めて、小さく実行していけば、小さな修正で済みます。
いつまでも決めないと、いざ決めるときは大きな決定になってしまいます。
間違えられなくなります。

意思決定をしないことについては、時間は味方してくれません。
特に危機回避のときには。

今回の国と吉村大阪府知事の対応の違い。
比較対象にするのが虚しいですが、参考になる部分が多いです。

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