外国株などで利益や為替差益が出たら

利益が確定したらゼイキン。
ということになります・・・

記録的な円安

今年は円安(というよりはドル高の側面が強い)が一気に進みました。
年初は110円ほどだったドル円相場は、現在145円〜150円あたりです。

150円のあたりで介入が入っているようで、その先(円安)には進んでいません。
ならば「いったん利益を確定させよう」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

利益が確定すると、ゼイキンのおはなしが待っています。

110円で買ったものが、150円で売れたので、40円の利益。
40円にゼイキンがかかる。

円安による利益(為替差益)はそう考えます。

例えば個人の方が、1ドル=110円のときに、110万円をドルに変えます。
これは110万円で1万ドルを購入したと考えます。
(計算がややこしくなるので、手数料等は考慮しません)

そして1ドル=150円のときに、1万ドルを円に戻します。
そうすると150万円の日本円を手にすることになります。

差し引き40万円の利益となります。
これが税金の対象になります。

例えば給料をもらっているサラリーマンの方が、この為替差益40万円を手にした場合、これらを合算して税金を計算します。
所得区分は「雑所得」、総合課税(税率は5%〜45%)になります。

「為替で損した場合は、税金が安くなるんですか?」
こんなご相談もあります。

税金計算のしくみは、利益が出たときは「税金」、損したときは「残念でしたね」です。
税金は安くなりません。

外国株を買って、利益も出た

証券会社で外国株を売買して運用、なんて方も増えているようです。

まず円をドルに替え、そのドルで外国株を買い、売って、なんて取引です。
外国株の売買による利益は、円に換算して申告の必要があります。

外国株の場合、為替レートの上下に加え、株価の上下もあります。
今年に限っていえば、「株の売買も、ドルベースでは損をしたのに、円ベースで見ると利益になる」
こんなことも起きています。

外国株であっても、損益は円ベースで見ますから、注意が必要です。
計算が複雑になりそうです。

具体例で考えてみましょう。

1、1ドル=110円のときに、1万ドルに変えた
2、1ドル=120円のときに、1株100ドルのA社株を50株買った
3、1ドル=130円のときに、A社株が1株120ドルになっていたので、全部(50株)売った
4、1ドル=150円のときに、全部のドルを円に変えた

「たったこれだけ」のようにも見えますが、けっこうややこしいです。

上記の取引を、全部円に直して考えます。
(株の売買手数料等は考慮しません)

1、1ドル=110円のときに、1万ドルに変えた
  110円 × 1万ドル = 110万円

2、1ドル=120円のときに、1株100ドルのA社株を50株買った
  120円 × 5千ドル(100ドル×50株) = 60万円

3、1ドル=130円のときに、A社株が1株120ドルになっていたので、全部(50株)売った
  130円 × 6千ドル(120ドル×50株) = 78万円

4、1ドル=150円のときに、全部のドルを円に変えた
  150円 × 1万1千ドル = 165万円

最初110万円でスタートし、最終的に165万円が戻ってきました。
つまり、この一連の取引で、55万円の利益が出たわけです。

税金のかかり方が違うので、区分けしないといけない

上記の取引で、単純に55万円に対して税金が計算されるならわかりやすいです。
しかし、株の利益と為替差益は税金のかかり方が違うため、分けなければなりません。

今回の例の場合は、結論から言うと株の利益は18万円で、これに15%の所得税。
為替差益は37万円で、これに対しての所得税は総合課税(5%〜45%)で計算します。

株の利益18万円は、2と3の差額です。
60万円で買ったものを78万円で売ったので、利益は18万円、となります。

厳密には株を売ったときに為替差益が6万円出ているのですが、これは株の売買利益に含めることとされています。
今回は取り上げませんが、外貨預金の為替差益も同じ理屈です。

ドルから円に変えた為替差益はそれ以外なので、55万円 – 18万円 =37万円となります。

図解するとこんな感じです。

<全体の利益>

<株の利益>

<為替差益>

実際には、株の利益は証券会社が計算してくれます。

なお、例のように今年に入ってから円を変えて、今年中に全部手仕舞えば、計算はラクです。
また、確定させずに持っている場合は、税金の対象にはなりません。

ただ、現実には昨年以前からドルを持っていたとか、複数の外国株を売ったり買ったりしていたとか、円とドルの交換を複数回行っていたとかすると、計算はけっこうややこしくなります。

しかも困ったことに、所得税法ではこの場合の計算方法がはっきりしていないとのことなのです。

そうは言っても計算ができないと困ります。
詳しい方にお聞きしたところ、「総平均法に準ずる方法」で計算するのが合理的でしょうとのことでした。
(それでも、むつかしい)

たぶん、今年の為替による全体の利益が計算できれば、そこから証券会社の計算した株の売買利益(配当があれば配当額も)を引いた金額が為替差益になるはずです。

実際に申告される際は、お近くの税務署か、このへんが得意な税理士さんにご相談ください。

(私は苦手です)

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