利用者識別番号(ID)を変更すると、こんな不都合があります

(いつの間にか、利用者識別番号と暗証番号は、IDとPWになっていますね)

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e-taxはとっても便利

e-taxを使って、確定申告はパソコンやスマホでもできるようになりました。
利用者識別番号(ID)を取れば、申告はもちろん、届出や納税、証明書類の取得も簡単にできます。

利用者識別番号(ID)、暗証番号(PW)の最初の設定については、少しめんどうです。
マイナンバーカードやカードリーダーが必要だったり、税務署に出向いたりしなければなりません。

しかし、一度登録すれば、その後の変更は簡単にできます。

利用者識別番号(ID)の変更は要注意

e-taxはとても便利な反面、1点、注意が必要です。
それは、「利用者識別番号(ID)の変更」です。

利用者識別番号(ID)を変更すると、税務署側では別人がアクセスしたと判断します。
なので変更後の利用者識別番号(ID)では、たとえ自分の情報であっても、以前のものにはアクセスできなくなるのです。

図で表すとこんな感じです。

例えば、Aさんが2017年分の確定申告のために、2018/2/5に利用者識別番号(ID)を取ったとします。
すると税務署(e-tax)上にAさんの税務情報が蓄積されていきます。

開業届を出し、青色申告承認の申請手続をe-taxでしたとすれば、その記録が残ります。
そしてその履歴などは、利用者識別番号(ID)と暗証番号(PW)があれば、後からe-taxにアクセスして、メッセージボックスから確認することができます。
Aさんは無事2017年分の確定申告を終えました。

Aさんは次の年を迎えました。
今回は2018年分の確定申告をします。
2019/3/2に昨年の申告内容を確認し、期限内に申告、電子納税で納付も済ませました。

2019年4月26日、Aさんは2018年分の所得税の納税証明が必要になったので、e-taxを使って納税証明を取ろうとしました。
しかし、利用者識別番号(ID)と暗証番号(PW)を忘れてしまいました。

急いでいたので改めて登録し直し、新しい利用者識別番号(ID)と暗証番号(PW)にしました。

すると・・・

以前の記録はe-taxでは、見ることができなくなります

新しい利用者識別番号(ID)を取ると、その後は前の利用者識別番号(ID)は使えなくなります。
部屋の鍵のようなものなので、開けることができなくなります。

Aさんは2018年分も2017年分も、e-taxでは納税証明を取ることはできません。
税務署に出向いて手続きすることになります。
過去にどんな申告をしていたか、過去にどんな届出をしていたかも、税務署に出向いて確認することになります。

利用者識別番号を変更するときには、画面に必ず警告・注意が出ます。
新しい利用者識別番号を取得すると、つまり変更してしまうと、前の情報が見られないという警告です。

これを理解していないで変更してしまうと、自分が不利益を被ることになります。

まず、「利用者識別番号(ID)と暗証番号(PW)」を失くさない。

それから、失くしてしまうことを想定して、控えなどは必ずPDF化したり、印刷したりして、e-taxにアクセスできなくても内容を確認できるようにしておく。

税理士に依頼しているときは、登録した時点で、必ず利用者識別番号(ID)と暗証番号(PW)を確認して(もらって)おく。

せっかく便利なシステムなんですから、利用者識別番号(ID)と暗証番号(PW)をきちんと管理しておきましょう。

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【編集後記】

暖冬のせいで、今年は花見の時期が早まるのではないかと言われています。
でも人が集まるのは危険ということで、自粛ムードになってしまうかもしれません。

玉石混交の情報から、正しい情報を知り、正しい行動を心がけたいものです。
付和雷同な日本人からは、卒業したいですね。