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税理士 谷口敏文のblogー決算書は経営の役には立ちません

個人事業で出てくる事業主勘定

time 2020/08/09

個人事業で出てくる事業主勘定、最初はよくわかりませんでした。

事業主勘定

個人事業で使う事業主勘定、2つあります。
「事業主貸」と「事業主借」です。

事業主貸は借方科目、事業主借は貸方科目。
事業主貸は「貸」って書いてあるのに、借方科目。
まずここで貸し借りが混乱します。

でもこれは覚えるしかないです。
貸付金も借方科目、借入金は貸方科目。

そう決まっているからです。リクツはありません。

事業主貸

事業主貸は、個人の事業(主体)から、お金が出ていったことを表しています。
出ていった先は、その個人へ。

内容は、個人事業の経費にならないもの。
わかりやすく例えれば、私的な支出、でしょうか。

事業主貸の勘定科目で処理するものとして一般的なものは、
・その個人の所得税、住民税の支払い
・その個人の健康保険や年金掛け金の支払い
・その個人の私的な支払い 等が挙げられます。

「貸」という字がついていますが、返してもらう必要はありません。
年末には事業主借と精算された上、元入金に組み込まれます。
個人的には、この事業主勘定は、最も謎めいた勘定科目です。

事業主借

事業主借は、個人の事業(主体)へ、お金が入ってきたことを表しています。
入ってきたお金の受取人は、その個人です。

内容は、個人事業の売上等の収益にならないもの。
事業に関係ない私的な入金、と例えればいいでしょうか。
事業所得の収入にならないもの、です。

事業主借の勘定科目で処理するものとして一般的なものは、
・その個人の所得税、住民税の還付金
・その個人の所得税についての還付「加算」金(雑所得として申告しなければなりません)
・その個人の預貯金の利子(利子所得になります)
・その個人の保有する株式等の受取配当金(配当所得になります)
ほかにも例示はできるのですが、あまり意味がないので割愛します。

今回、コロナの関係で申請手続きをされた方は、給付金などをもらっていると思います。
これらの振込先を個人事業の通帳に指定している場合、経理処理に注意が必要です。

■ 事業の収入として処理するもの(雑収入など)
・持続化給付金(最大100万円のもの)
・家賃支援給付金
・雇用調整助成金
・感染拡大防止協力金(地方自治体から給付されるもの、東京都の50万円とか)

なお、これらは消費税の課税対象とはなりません。

■ 事業主借として処理するもの
・特別定額給付金(1人10万円ってやつ)
・休業給付金
・健康保険料の減免により返金を受けた健康保険料など

令和2年分の確定申告にあたっては、健康保険等の減免があった場合には注意が必要です。

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おいしいもの倶楽部

書いてる人

谷口敏文
(税理士 ㈱Polku 代表取締役)

決算書作りに疑問を感じていたとき、戦略MQ会計に出会う。
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