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この値引きの意図を考えてみよう

time 2018/04/03

この値引きの意図を考えてみよう

事務所のそばに、居酒屋さんがあります。
昼はランチ営業をしています。

神保町はランチ激戦区。
そのお店はこんなことをしています。

12時までの注文で、200円引き!

12時になると会社が昼休みになり、どっと人が繰り出してきます。
私は混んでいるのがイヤなので、11時45分くらいには食事に出ます。
このお店では12時までに注文すると、なんとランチは200円引き(早割)になります。

ランチの平均価格は850円ぐらいでしょうか。
200円引きということは、2割強!インパクトはスゴいです。

こんなに値引きしちゃって、大丈夫なんでしょうか?
あるいは裏に隠れた戦略があるのでしょうか?

状況を整理しておきましょう

お店の状況を知らない方のために、簡単にご説明しましょう。

・店内は座敷形式で、全席喫煙可
・1テーブルは基本4人がけで、つなげたりして6人とかも対応可
・満席で(といってもギチギチには入りませんが)だいたい50〜60人
・お客さんの比率は男性6割ぐらい(意外に女性も多い)
・調理もホールもバランスよく、調理・接客のバランスは問題ありません
・おおよその滞在時間は30分弱
・12時までに注文すれば、1食につき200円引き
・200円引きの対象にならないメニューもあり

とこんな感じでしょうか。
開店は11時半からです。

ある1日を仮定してみましょう

1食あたり平均価格850円として、原価を計算してみると300円から350円ぐらいでしょうか。
計算しやすくするために、仮に350円としてみましょう。
そうすると粗利は500円となります。

11時半から13時まで、仮に2.3回転とします。
満席で50人として、115人の来店。

定価で売り上げて、97,750円、原価は40,250円。
粗利は57,500と予測します。

「早割」の方はどのくらいでしょう?

総客数115人のうち、50人が早割「対象者」とします。
つまり12時前に注文する人です。
このうち、対象商品を注文する人の割合は7割ぐらいです。
ということは、実際に早割の恩恵を受ける人は35人でしょうか。

原価は同じですから、単純に売上が7,000円(200円✕35人)減り、そのまま粗利が減ります。

つまり、売上げは 90,750円、原価は変わらず 40,250円。
粗利は50,500となります。

もし早割をしなかったら?

実はこのお店、開店当初から早割をしていたわけではありません。
最初は他のお店と同様でした。
おいしいですが、他のお店とお客さんの取り合いになっていたようです。

早割をしなければ、客数はここまで増えていなかったと思います。
1.8回転、客数は90人ぐらいでしょう。
そうすると粗利は45,000円となります。

早割客の数にもよりますが、早割の効果は 5,500円〜12,500円の利益増です。
早割をしていなければ、この利益は見込みにくいでしょう。

早割の効果はいかに?

・早割の告知は店の看板とメニューのみ:大した費用はかかっていない
・値引き200円はインパクト大:12時までの集客ができた
・客数アップで粗利の増加:原価は直接対応だし、経費は変わらない
・昼の集客増:夜の営業への広告効果
・やめるのや変更も簡単:設備投資はない

私が思いついたのはこのくらいでした。
まだ他にもあるかもしれません。

1日7,000円ほどの値引きですが、月の営業が20日ぐらいなので、月間14−5万円。
私の印象としては、広告効果は結構あると思います。

月で15万円ほどの広告費なら、折込チラシやポスティングができるでしょう。
Web等の集客もできるでしょうが、費用対効果も考えるとどうかな、と思います。

これが正解、というものはありませんが、いろいろ試してみるのはいいことです。
私もいろいろ思いを巡らしながら、200円引きの恩恵を味わいたい思います。

おいしいもの倶楽部

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