ピクセル(その2)

このうさぎの絵、これも全体の一部です。

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決算書のつくり方
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なぜ社長は決算書に興味がないのか?
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絵の全体はこういうものです。
48fag
「鳥獣花木図屏風」
いずれも「生誕300年記念、伊藤若冲展」の図録より

うさぎは・・屏風(6枚)のうちの右下にちょこんといます。
(虎の前です)

パッと見ただけでは、気づかないかもしれませんね。
ここにうさぎがいなくても、絵としては変ではないでしょう。

でも、若冲はここにうさぎを描いています。
うさぎは現実に、この絵の中に存在しています。

会計は、会社の全ての事象を記録しているわけではありません。
でも、会社の全ての事象は、必ず会計に反映されます。

例えば、会社の敷地にきれいな花が咲いていたとしましょう。
どこからか飛んできた花の種が、花を咲かせています。
もちろん、花は帳簿に載っていません。

でも、これを見た従業員の気分が良くなって、商談がうまくいき、利益が出る。

笑い話でしょうか。

会計なんて、会社の事象のほんの一部を表したに過ぎません。
それを単なる法律で計算した決算書だけで語るのは、こっけいです。

専門家が「在庫を減らしましょう」というのに対して、
「在庫がなかったら、店の中、スカスカですよ」と思う社長が正しいんです。

社長は絵全体を見て、考えています。
専門家は、うさぎの絵だけを見て「ここの色味がどうのこうの」と言っているだけです。

決算書なんか分からなくていいんです。
参考程度でいいんです。

それよりも大事なことが、ほかにありますから。