値上げといっても・・

千代田区九段、靖国神社前にある和菓子店、宝来屋さんの栗羊羹。
1本3千円です。
ずっしりです。
おいしいです。

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「値上げしたら、利益が出ます」

先日コンビニで立ち読みしたムック本に、ジリ貧のカレー屋さんにコンサルタントがアドバイスするというくだりがありました。

「利益を出すには、明日から値上げすればいいんです!」
「お客さんが◯%まで減っても、利益は出ます!」

値上げすれば、確かに利益は出ます。
理屈はそうですが、なかなか値上げって難しいです。
なぜでしょうか?

多くの小規模事業者は、なかなか値上げができません。
値上げしても客離れし、売上が減ってしまったら困るからです。
値上げした日から、値上げした商品が売れるとは思えないからです。

「値上げしたら、売れないよ」
ばくぜんと、こう思うわけです。

戦略的に値上げしないと

小規模事業者が値上げをする場合には、どうすればいいんでしょうか?

例えば、仮に老舗の有名店と同じような羊羹を、谷口和菓子店が作れたとします。
そして有名店の横で、1本3千円で売り出したとします。

「◯◯屋さんは老舗だし、安心できるわ」
「1本3千円なの?、きっとおいしいに違いないわ」

「谷口和菓子店?知らないなぁ?」
「包装は高級そうだけど・・、味はどうなんだい?」

あなたがお客様なら、谷口和菓子店にはこんな印象を持つでしょう。
それがあたりまえです。

お客様はあなたのことも、あなたのお店も、あなたの商品の良さも、知りません。知らないのです。
よく知らないお店で、よく知らない人から、いきなり高価なものを買うわけないんです。
それがあたりまえなんです。

まずお客様に知ってもらい、興味を持ってもらい、試してもらい、買ってもらわなければなりません。
高いものを売る、値上げをするのはそれからなんです。

中小企業はお金も、人も、限られています。
やみくもに値上げしても、すぐに効果は出ません。
戦略的な経営が必要になるのです。