MQを増やすには、時間も意識しよう

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はやい、おそい

「おそい」は漢字にすると「遅い」、1つだけです。

その逆、「はやい」は漢字にすると「早い」と「速い」
それぞれ意味が違います。

今回は、MQと時間について考えてみたいと思います。

世の中、はやい方がいいものもあるし、そうでないものもあります。

「MQ > F」を考える場合、時間の意識は大切です。

なぜ時間の意識が大切なのか?

ある月のFが100かかるとします。
ということは、その月はMQを100以上出さないと、利益Gが出ません。

ある月、その月の最終日に101のMQが出たとしましょう。
101−100=1、たしかにGは出ていますが、なぜ1しか出ないのでしょうか?

もし101のMQを稼ぐのを15日に、「はやく」できれば、1ヶ月のGは202になるかもしれません。

はやさを意識した場合、30日間かけないと、101のMQが出ないのか?

もしそうだとしたら、

・なにかのトラブルで1日営業ができなくなったら、Gは出ないのか?
・2月はGが出ないのか?
・31日の月は必ず利益が出るのか?

それではとても不安です。
少しは余裕を見ておきたいものです。

一方で、発酵や熟成といったプロセスを経るものもあります。

この場合は、どうしても時間がかかる。
30日でも早い方、もっとゆっくり寝かせたほうがいいこともあります。
もっと遅い方が、いいのかもしれません。

ただし、この場合でも1ヶ月のFが100なら、遅くなるとGは出ません。

自然のプロセス → 人工的なプロセスとすることで、30日を縮められることがあります。
どちらを選択するかは、顧客の対象やニーズ、自社のスタンスなどにもよります。

あるいは、ほかの方法を考えるか。

はやく終わらせるためには

たとえば「仕事を早く終わらせる」ためには、「早く」から始めるのと「速く」処理する方法が考えられます。
製造業だとわかりやすいかもしれません。

ある製品を組み立てて販売することで、MQが生み出されるとしましょう。

「早く」の場合は、
・早く発注をもらう
・早く材料を仕入れる
・早く作業に取り掛かる
・早く店頭に並べる・・・

1つずつのプロセスを早めに始めることで、時間が短縮できます。

また「速く」の場合は、
・速く材料を用意できるように、倉庫の棚割りを見直す
・速く加工ができるように、性能の良い機械を使う
・速く組み立てができるように、手順を確認する、見直す・・・
などで、時間が短縮できます。

導入にお金や時間がかかるものもありますが、すぐにできることもあります。

「そんなの分かってる」って思うようでも、MQが出ていない会社は、これが意外にできてないなかったりします。

そして、いろいろなところで、
・無駄な作業
・手順間違い(変なものが完成する)
・やり直し
が起きています。

そうすると、大事な「本来のための時間」が奪われてMQが減り、結果として利益Gが奪われてしまうのです。

「早くする」「速くする」ことは大切、
「遅くしない、遅くならない」ことも必要です。

また、あえて「早くしない、速くしない」ことで、MQを生み出す方法もあります。

Time is Money.

時間に視点を向けると、MQに結びつくことはたくさんあるのです。

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