売掛金とそれ以外の資産は、こんなに違う

会社はこんな状態から始まります

生まれたてホヤホヤの会社の貸借対照表(バランスシート)です。

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資本金(元手)として出した現預金を使って、商売を始めます。
現金がいろいろなものに形を変えていきます。

現金が形を変えたものは、資産の部に記載されます。
売上債権(売掛金、受取手形)、固定資産(建物や車両など)、有価証券、繰延資産など。

これらの資産ですが、私は売掛金とそれ以外には決定的に違うものだと思います。

※もちろん費用になるものもありますが、貸借対照表(バランスシート)のお話なので、ここでは省きます。

売掛金以外の資産とは

売掛金以外の資産には、どんなものがあるでしょうか。
・受取手形
・商品
・製品
・立替金
・前払費用
・建物
・車両運搬具
・工具器具備品
・機械装置
・ソフトウエア
・投資有価証券
・保険積立金
・開発費

ほかにもいろいろありますが、こんなものが浮かびます。

受取手形と売掛金は、同じ売上債権と言われます。
一般的には同じカテゴリーになります。
でも、売掛金と受取手形も違います。

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何が違うのか

売掛金とそれ以外の資産の違いはなにか?
それは、こちら(会社)側の意思で決められないものと、決められるものとの違いです。

例えば商品。
これは買ってきたものです。
こちらの意思で買っています。

「いい商品だから、これをウチで売ろう」
「あまりいい商品だと思わないけど、売れるから買ってきた」
「いい商品でなく、気に入らないから買ってこない」 かもしれません。

いずれにしても、こちらで決めてお金を払う。
そしてお金が商品に変わりました。

建物も備品も、有価証券も保険も、いいと思ったから、必要だから、お金を支払って手に入れました。
だから貸借対照表に載っています。
会社の車、ベンツの必要あったの?

いずれにせよ、お金がそれぞれの資産に置き換わったわけです。

売掛金は

売掛金は、お客様に掛け販売で商品が売れたので載っています。

苦もなく売れて、売掛金になっているかもしれません。
でもたいていは、いいもの作って、値付けをして、営業して、ようやく売れます。
こちらの意思だけでは、売掛金になることは少ないです。

他の資産とは、ここが大きく違います。
そして、この売掛金の質が、会社の命運を左右します。

・適正な価格(正価)で売れているか?
・安すぎないか、高すぎないか?
・数量ばかりに気を取られて、安売りしていないか?

いくら売掛金残高があっても、回収サイトが早くても、これではジリ貧になります。

掛けじゃなく、現金売りでも同じです。
現金がスグに入るからと言って、必要以上に値引きしてたら、商売は行き詰まります。

ナントカ分析ばかりしないで、こんな視点で貸借対照表を見てくださいね。

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【編集後記】

5月は3月決算の申告時期です。
この時期だけお会いするお客様もいらっしゃいます。

私は決算書の説明はほとんどせず、お客様のお話ばかりお聞きしています。
社長も私も、結果よりもその先に興味がありますので、どうしてもそうなってしまうんですよね(笑)