東京ステーションギャラリーにて
最初は手探り
インド更紗コレクション。
カルン・タカールさんのコレクション展に行ってきました。
実に興味深いものでした。
インド更紗が生まれ、それが交易により世界にもたらされ、それぞれがその地や人によって、変化していきます。
布に色や模様を付けていく。
今では科学的な見地や技術により、高度な染色を施すこともできます。
一方で今でも昔からの方法で、実にいい風合いのものも作られています。
大量生産ではない、いわば1点物。
それはいい味わいです。
フグを食べた人がいるから
昔は今のように科学技術が発達していません。
何の手がかりもないところからの試行錯誤。
偶然発見したもの。
例えば、赤色を付けるためには、何の木の実がいいか、花がいいか。
色が混ざらないようにするには蝋を塗るといいぞ。
こんなことが永い時間繰り返されながら、染色技術は発展していくわけです。
食べ物でよく例えになるのは、フグ。
何人もの先人が食べてやられて、「肝には毒があるぞ!」
そうして今ではみんなが安心して、フグを食べられるわけです。
なにか1つ乗せる
今や情報は洪水を通り越して氾濫しています。
その多くの情報の中から、正しいものを選ぶ。
いや、間違ったものを選ばない力の方が必要かもしれません。
先人の試み、知見に、自分の考えを1つ付け加える。
「1つ石を乗せればいいんだよ。それだって簡単じゃないけどね」
論文の指導教官から言われた言葉を思い出しました。
数世紀に渡る染色の歴史、楽しいですよ。
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