ヒントは事務所の外にある

昨年の12月から読み始めた福岡伸一さんの『動的平衡』
読み初めのきっかけは、記憶についての興味からです。
記憶はどこにあるのか?

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決算書のつくり方
kindle版 

なぜ社長は決算書に興味がないのか?
Kindle版

現在は「3」まで発刊されていて、先日3冊を読み終えました。
何回も読み返し、じっくり読んだのは久しぶりです。
また、とても満足感を得たのも久しぶりです。

絶え間なく動き続けている

『動的平衡3』にこんなくだりがあります。

「絶え間なく動き続けている現象を見極めること。それは私たちが最も苦手とするものである。」

昆虫学者ファーブルの『昆虫記』の一節を引いて、研究室にこもる学者たちを揶揄しています。
時間を止め、切り刻み、分析をする。

私はこの部分を読んだとき、「あぁ、会計人も同じだ」とハッとさせられました。

「今期の決算では、現預金が3千万円も増えましたね」
「いや、10連休で4月30日が休みだったからね。5月7日には4千万、引き落としになってるよ。」

さすがに平成31年4月決算の会社の決算説明時に、会計人からこんな会話がされることはないと祈ってますが、普段は気にしていない専門家も多いです。

はらぺこあおむし

子どものときに読んだ記憶がある方、子どもに読んであげた方、人気の絵本『はらぺこあおむし』
イラストに惹きつけられた人も多いでしょう。
私も子どもと何回も読みました。

あおむしがちょうちょになるまでの、他愛のないストーリーといえばそれまでです。
しかし、この本もファーブル的な視点で描かれていると思います。

今でこそ、私たちはちょうちょは幼虫(あおむし)からサナギ、そして成虫になることを知っています。
そして、これはちょうちょの一生の流れ、動きです。
俯瞰しているからこそ、わかることです。

幼虫時代の一断面、さなぎの一断面をみたところで、何も分からないでしょう。

やはり、決算書を分析するだけではいけない

これらの本を読み終えて、常に思うことは会計人は「決算書を分析するだけではいけない」と。
会社という動的な組織体の一断面を見てものを言っても、それは動きの中にいて、その先頭に立っている社長には伝わらない。

私はMQ会計を知り、それを1つのツールとして「少し」動的な視点を持とうとしていますが、それでも大したことではありません。
でも、事務所にこもって決算書の分析をしないだけ、少しはいいかなと思っています。

動的な視点を持つためには、MG(MQ戦略ゲーム)がいいと思います。
ご興味がある方は、こちらで体感されてはいかがでしょうか。
私も定期的に行っています。

・株式会社西研究所

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