基準が変わったら、比較が困難(グラフのお話し)

また、このグラフを目にする機会が多くなってきました。

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波には高低があります

「第○波が・・・」

またやってきました。
今回は8回目、「ブレーキを踏みながら、アクセル全開」
というようにちぐはぐ、同じようなことを繰り返しています。

毎回の波で、少しずつコツをつかんでいるのかと思いきや、そうでもないようです。
いずれにしても、自ら防衛です。

私の場合は「ズラす、はずす」ですね。
元からズレているので(笑)、今に始まったことでもないんですけど。

グラフをそのまま見てはいけない

グラフを見ると、視覚的なイメージが入ってきます。
「また増加傾向なんだな」

そう感じる方は多いでしょう。

でもこのグラフ、そのまま見てはいけないようです。

グラフの下に「注釈・コメント」というリンクがあります。
クリックすると、こんなポップアップが出てきます。

そうでした。
今年の9月26日から、報告者の基準が変わっていたんでした。

具体的には、「感染者の全数把握」を簡略化し、詳しい報告の対象を、
・65歳以上、
・入院が必要な人、
・妊娠中の女性など重症化のリスクが高い人に限定
としたんでした。

たとえて言うなら、
・今までは、クラスのみんなの出欠を職員室に報告していたのに、
・9月26日からは、クラスの男子の出欠のみを職員室に報告
そんな感じでしょうか?

ここまで極端ではないにしても、グラフのもとになる数字の集計は変わっています。

グラフは簡単に○○できます

確かに注釈には、集計方法が変わったことが書いてあります。
しかし、違う基準で集計しているので、そのグラフからは正確な情報が読み取れません。

クラスの出欠の話で言えば、「上がり方が鈍いね」といっても、「そこには女子の数が入っていないから」となります。

もし同じグラフ上に表すなら、変更前の部分から男子の数を除くか、変更後の部分に参考値として女子の数を加えるかしないと、趨勢を判断できません。

グラフを作り直すのは、めんどうだと思います。
であるならば、グラフを分けるとか、境目にタテ線を引くとか、グラフそのものに明示するべきでしょう。

グラフは簡単に人を騙すことができますから、情報の出し手は、より慎重になる必要があると思うのです。

・便利なグラフ。でもその見せ方で惑わしてはいけない。

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