お知らせはしっかり確認(消費税は特にしっかり)

これから3月決算、5月申告の時期に入ってきます。

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消費税のお知らせには、重要事項が満載

会社に申告時期になると、紙での提出している会社には申告書と一緒に、電子申告している場合にはメッセージボックスに、「お知らせ」が入ります。

法人税の場合、チェックするのは中間納付額ぐらいでしょうか。
これを申告書に反映させて、税額を確定させます。

最近では、電子申告している場合、税務ソフトがメッセージボックスのお知らせから、中間納付額を申告書に取り込んでくれます。
そうすると、ますますこのお知らせ自体を見なくなる可能性があります。

でも消費税のお知らせは特に、毎回しっかり見るクセをつけましょう。

この会社の、今期の消費税申告は?

消費税のお知らせでまず見るのは、右肩の部分(赤マルしました)です。
ここに、今期の消費税申告をどうするかが書いてあります。

この会社の場合、「一般用」と書いてありますので、今期の申告は一般(原則)課税方式で計算することになります。

ここに「一般」と表示されるのは、どういう場合か?

1. 消費税の課税事業者届出書が出ている
2. 消費税の課税事業者選択届出書が出ている
3. 簡易課税制度の選択届け出を出していない
4. 簡易課税制度の届け出を出しているが、基準期間の課税売上高が5000万円を超えている

という状況が考えられます。

ですから、そのいずれに該当しているのかは、きちんと把握しておく必要があります。

この会社は、用紙をもう少し下まで見ると、
1と4の状態であることが分かります。

2年後に注意!

この会社は、消費税導入当初に簡易課税制度の選択届け出を出しています。

導入当時、簡易課税制度の判定基準は、5億円でした。
その後、4億円 → 2億円と下がり、平成15年の改正で今の5000万円となりました。

この会社は現在年商が1億円程度ですが、今期5000万円を下回る見込みです。
ということは、何もしないと2期後は「自動的に簡易課税」になります。

消費税は判定が原則として2期前であること、事前の届け出が必要であること、からこれに関係したミスも起こりやすくなります。

今回のコロナの影響で、昨年あるいは今年以降、業績が一時的に落ち込む会社もあるでしょう。
今は今で大変、というところかもしれませんが、これが2年後に現れるところに消費税の怖さもあります。

消費税は、お知らせもよく見て、届け出状態や、いつ、どうなるかをしっかり把握しておきましょう。
前の税理士さんから変わってきたところは、特にです。

そして、現状と届け出が噛み合っていないようなら、その対処もしておきたいところです。

(関連記事)
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