自計化って何だ?(その3)

自計化=自社で経理を行う=財務諸表を作る=会計ソフトに入力する
自計化って何だ?(その2)で書きました。

■ ■ 発売中 ■ ■
決算書のつくり方
kindle版 

なぜ社長は決算書に興味がないのか?
Kindle版

財務諸表を作るために「会計ソフトに入力する」
財務諸表を作るために必要な情報「だけ」を会計ソフトに入力します。
それはそれで合目的なので、よいです。
でも、入力に必要な情報だけを拾うので、そこから漏れた情報は財務諸表からは見えにくくなります。

そうやってできた財務諸表を見ても、経営者はピンと来ない、はずです。

中小企業の経営者が自社の状況を把握しているのは、現場に近いから。
入力される前の情報をご自身が持っていますから、ある程度の数字を把握しています。
経験も勘も含めて。
でも、それだけでいいのでしょうか?

上の表は私がお客様に「売上管理」として入力していただいているシートの見本です。
「項目は好きに作って、追加していいですよ」と言っています。
ただ「これは要らないかな?と思っても、項目(列)は減らさないでください」
とも言っています。

列を減らさない理由は、もし後で必要になったら困るから(笑)です。
項目(列)はいくら多くても構いません。
私はそのデータから決算書を作るために必要な情報「だけ」を使いますし、
お客様もそのデータから自分の商売に必要なデータ「だけ」を使います。

入力の決まりは2つだけ。
・1件を1行に
・1つの列(セル)に1つのデータ
これを守ってもらっています。

で、私はこのデータを会計ソフトの入力に使います。
必要なのは、黄色いマークのところぐらい。

一般的な会計ソフトの入力には、その他の細かい情報は「入力しない」か「摘要欄にまとめて入力」となります。でも、
・入力しなければ「分からない」
・摘要欄にまとめて入力すると、分類は困難になります

でも経営戦略にほしいのは入力しない方の情報。
この辺ですよね。

・新車は何台売れるんだ?
・修理って月に何件あるの?
・売れてる色って何色?

このデータは活用できます。

これはお客さんが自分でやります。
何回かやると、項目がドンドン増えていき、しばらくすると整理されます。
そして「うちの店では何をするのがいいのかな?」
お客様が考えるようになっていくのです。

(つづく)