その経費は売上に直接関係ある?

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売上原価

例えばパン屋さんで、あんぱんを1個売ったとします。
そうするとそのあんぱん1個分の原価は経費(売上原価)になります。

あんぱんを売るために、小麦粉やらあんこを仕入れて、あんぱんを作って、店先に並べるから、あんぱんが売れるわけです。

最初から、売るためにかかった費用です。

これはとてもわかりやすい例です。

販売費および一般管理費

販売費及び一般管理費、俗に経費とか期間費用と言われるものです。
「販管費」なんて略します。

一般的には経費のうち、売上原価に入らないもの、と言われています。
従業員の給料、家賃、光熱費、旅費交通費や交際費・・・などです

あんぱん1個を売るのに、どれだけ販管費がかかったか?
はっきり言って計算できません。

というか、計算するだけナンセンスです。
直接的に計算できないから、販管費になっているわけです。

そして、売上に直接対応させられないので、期間に対応させます。
その会計期間に対応するものは、その期の費用としているわけです。

税務調査などで・・

税務調査などで「その経費は売上に直接関係ありますか?」という質問がされる場合があります。

これは、けっこうな難問です。

売上原価であるあんぱんの材料費などは、「直接」関係があると言えます。
最初から売るためにかかった費用ですから。

では、販管費に該当する項目はどうでしょう?

「直接」関係があるか?と言われても、答えようがありません。

その期の売上を見込んで、例えば得意先を接待するわけです。
でも、明確にその接待があんぱんの売上に直接関係しているかなど、どうやって調べるんでしょうか?

もし直接関係があるというのなら、売上原価にしなければならないでしょう。
そうすると「風が吹けば桶屋が儲かる理論」となってしまい、販管費は全部売上原価になってしまいます。

実際に「接待の結果受注できた業務の内容を、一覧表にしてください」という質問がされた例もあるそうです。

実際に仕事に結びつくか、そんなものは支出段階では分かりようがないです。
恐ろしい質問です。

「こういう質問を平気でしてくるんだよねー」

同業の方からの話を聞いて、思わず絶句してしまったのでした・・

※個人的にはいちばん恐ろしいもの、という意味で書きました。
・慣れてはいけないもの(サーカスの象)

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